2018/03/16
最終更新日:2020/06/08

うつ・パニックの完治は長い道のりになる


ある時、両親とのいさかいが引き金で精神が常軌を逸した。

私は過去の両親との確執と飢えていた愛情欠乏のコンプレックスが刺激されたのだと、自分はなんて精神的自立ができてない人間なのかと、泣きに泣いた。

でも、あとになって気づいたことは、それは「うつ」の再発だった。

完治させたはずのパニック障害ではなく、弊害として発症していた軽症うつを放置したまま、治療を止めたことが原因だったのだろうか・・・。

もし、うつで悩む人がいるならこう言いたい。
うつは、治療すれば必ず楽になる。

でも、そこからさきも、ストレスに弱い耐性はすぐには強く戻れないから気を付けてほしい。

でも、おんなじ仲間がいるよ、ってことをここでは私の体験から伝えてみたいと思う。

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うつ病と抑うつ状態の違い

ここでは、病的分類ではなく、私の体験から違いを綴ってみる。

たとえば、抑うつ症状(軽症うつ)というのは、たとえばこういう状態である。
・眠りに逃げる時間が多くなる。
・身体がいつもダルく、やる気が出ない
・集中力の欠如により、仕事や勉強に身が入らない
・あまり食欲がない

そして、うつ病(完全にうつに振り切れる)はこういうことになる。
・眠りっぱなし(1日中、ひどいときは数日に渡る)
・1日、何もしない(食事すら取らない)
・仕事や学校は当然休み続ける

つまるところ、うつ病になると人の基本的欲求(食欲・性欲・睡眠欲)が減退する。

睡眠欲も減退するの?寝ているのに?
って思いますか?

しかし、眠り続けることは睡眠欲とは違う。
ただ、ふさぎ込み、すべてが停止してしまう感覚でベッドにずっといるだけなので、睡眠欲から寝ているわけではないんですね。

私が体験した精神制御の崩壊

私が「これは完全にウツだ!」って思ったのは、涙腺が完全に崩壊してしまったからですね。

もう、何を見ても悲しくて涙が出る。

ツライ体験を頭の中でリプレイし続ける。

人に何か話をしたり、何か言われたりするたびに、泣く。

誰かとご飯を食べても泣く。

家でも、泣きながら過ごす。

なんでこんなことになったのか、自分でもわからないのですが、精神を制御するスイッチが壊れてしまったんでしょうね。

ただただ、無性に悲しかったのを覚えています。

結果的に、精神科の主治医のところに駆け込み「薬をください。完全にウツです。」と投薬することにし、数日間で精神が正常に回復しました。

急激な精神症状は私は薬で抑えるほうがいいと思っています。

そうでなくては、生活がもう成り立たないわけで。

そういう生活を送ることで、さらに精神が疲弊していくので、そこはやっぱり止めたほうがいいというのが私の考えです。

うつとは、すべての行動を停止させてしまう以外に、精神のコントロールができなくなるという側面も持っています。

併発する自律神経症状

これは、うつ病、パニック障害の人は経験していると思いますが、自律神経失調症も併発します。

手の震え、冷や汗、動悸、過呼吸がしんどい症状でしょうか。

頭痛、めまい、便秘など日常的なものも自律神経からの影響を受けますが、顕著に「異常だ!」と自分でわかるものが慢性的に起こるのが、うつ病やパニック障害ではないかと思います。

私の場合、うつよりもパニック障害の残遺症状が顕著です。

神経が高ぶったまま長時間過ごすと(主に仕事、勉強など集中力を要するもの)、手の震えがくることがあります。

そういう時、「ああ、神経が昂りすぎてるな」と感じます。

また、動悸もよく起こります。
そういうときは、深呼吸を繰り返すようにします。

急性期には、冷感がよく起こりました。足が氷を当てられたように感覚がなく冷たくなったような症状です。

そして、「私の身体どうしちゃったんだろう」というパニックに似た焦りの感情で呼吸がおかしくなっていきます。

今ではそうした症状に慣れているので、気づくたびに小休止して神経を鎮める行動を起こすようにしています。

子供のうつは感情表現が極端

子どものうつに関しては、詳しいわけではないのですが自分が子供の頃をお話したいと思います。

私の場合は、ずっと暗くおとなしく、ふさぎこんでいるウツ傾向でした。

子どもは感情表現が大人ほどバリエーションを持っていないからか、異常におとなしいか、突然せきを切ったように爆発して暴れるかのどちらかではないでしょうか。

私もたまに我慢できなくなって暴れていました。

しかし不思議なことに、ずっと泣き続けたりなどの自己憐憫の傾向だとか、自律神経症状などの身体の異常は少なかったんですよね。

また身体が健康だからなのか、社会生活にそこまで疲れていないのか・・・。

自己憐憫はおそらく社会経験があってこそのものだから、そういう感情表現は起きないのでしょうね。

つまり、子どものウツは表現が乏しいために周りにわかりづらく、また対処法も選択肢が少なくなるということです。

そういう子ども時代は、あまり送ってほしくない経験です。

一度壊れた神経は、もろく壊れやすい性質を持つ

パニック障害の本の中で、ある作家は「脳は変容する」と述べた。

私はこれがストンと腑に落ちた。

一度壊れてしまった脳の機能と精神は、回復はしても、もう昔とは違っていると思う。

それは怪我をして、もし傷が消えてしまっても、傷を負ったという記憶は消えないのと同じようなものだ。

過去に体験した精神症状は、ふとしたきっかけですぐに呼び起こされる。

疲れすぎたとき。
ショックなことが起きたとき。
寝不足や体調が悪いとき。

やはり完全に抹消することはとても難しいのだ。

身体も、脳も覚えているその感覚は、おそらく自分を守るためのもの。

しかし、もう守らなくてもよくなったのに、過度に警戒して反応するのだろう。

うつやパニック障害の完治は、とても長い道のりなのだ。

私はもう周りの人から見たら正常そのものだ。
仕事もできている。

しかし、本当は精神症状を自分なりにその都度対処してやり過ごしているのを誰も知らない。

こうした自分との闘い、または協力体制とも言えるが、それが精神病と向き合い続けるということだと思う。

これを読む人は、あなたはどんな症状に悩んでいるのでしょうか。

同じ症状を持つ人は世界にたくさんいるが、自分の身体や精神に対応するのは自分一人、その感覚や不安を感じるのも自分。

そうしたことから、一人で悩んだり落ち込んだりしてしまいやすいのが精神病の特徴であるから、情報や体験は共有すべきなのだと思います。

今日も歩く、今日も進む。
一日に一日だけ生きる。


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