2018/02/15
最終更新日:2018/04/20

転職を繰り返すのはダメなことなのか?


転職を繰り返す自分がダメな人間のように感じる・・・こう思う人は多くいるのではないでしょうか。私自身若い頃から何度も転職を経験してきました。次の仕事を始めるまでの短い期間、何度も自分の人生について考えながらこう思ったものです。「1つの仕事をずっと続けてキャリアを積んでいる人は、なんて偉いんだろう。」しかし、本当にそうなのだろうか?

今回はBooks&Appsの記事で素晴らしいものを見つけ、転職を悩む人にとって本当に必要な情報は「転職する人の特徴」や「転職のリスク」などとネガティブなものではなく、こういったポジティブな記事だ!と思ったので確信を持ってシェアしたいと思います。

⇒参考記事【転職回数が多いのは、キャリアアップをしっかり考えた証拠】

転職回数が多いのは、キャリアアップをしっかり考えた証拠

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転職回数で人の価値は図れない?

記事では、ある社長の若いころのエピソードが紹介されていた。
彼は新卒で大手銀行に就職し、3年勤めた結果「銀行の文化は自分には合わない」と感じて退職し、その後4回の転職を繰り返した後、アメリカへ渡った。そして、アメリカでの彼の初仕事は「採用」だった。 以下は、参考記事を要約してまとめたものです。

❝大量の履歴書を前に「年齢や性別で判断しない」アメリカの判断基準を基本とし、どの要素で絞り込むか考えた彼は、2年以内に転職経験がある人をすべて落とすことにした。

仕分けを終え、合格者の履歴書の束を上司に提出したところ、女性の上司は落とした履歴書も持ってくるように彼に伝え、ひと通り目を通したあと、こう言ったそうだ。
「なぜ、この人たちを落としたの?」

2年以内で転職を繰り返す人は忍耐力が低く飽きっぽい性格だと思われ、採用してもすぐに辞めてしまう可能性が高いだろうと答えた彼に、女性上司はこう質問する。

「言いたいことは分かるわ。でも、たとえばこの彼は営業経験も豊富で、企画・開発の経験も積んでいて語学力もある。うちが求める人材にピッタリじゃないかしら? 転職回数が多いことはそんなにデメリットかしら?」

言葉に詰まる彼に上司はさらに畳みかけた。
「あなたは他の会社を見て面白そう、働いてみたいと思ったことはないの?」

彼は自身の何度にも渡る転職経験を思い出して、肯定の意を伝えた。
「では、あなたは自分を何をやっても続かない、忍耐力のない人間だと思うの?」
「むしろ、積極的にチャレンジする行動力のある人とは考えないの?」

女性上司は、人材を採用するために重要なことは「今、会社がどういう人材を欲しているか」だと言う。1社の滞在歴が長いだけで素晴らしい人材だという偏った考えではなく、視野を広くフラットな物差しで判断するべきだと彼に伝えた。❝

日本と欧米の転職回数に対する考え方の違い

転職回数が多いことは履歴書を見れば一目瞭然であり、日本では面接の際に必ず質問される項目である。若くして転職回数が多いと、日本ではどうしてもダメ人間のレッテルが貼られるのが常識だ。でも、本当にそうなのだろうか?

人によって理由は違うとしても、辞める理由、転職する理由がその時には確かにあったはずだ。そして、ダメになったから辞めたという人でも、学生時代は勉強やクラブ活動など、一定期間何かに打ち込んでいたはずであり、続かないのが本来の性質だという人はごく僅かだ。私自身、面接の際には仕事を辞めた理由や転職の回数には興味がなく、その人がどう考え、何を目的として社会生活を送ってきたなど、その人の強みや能力を見定めるほうに力を入れていた。長く働いてくれることは確かに会社にとって重要ではあるが、特出した能力や成果を期待するのなら、その人の強みに目を向けて採用したほうが、良い成果が出ることが多かった

記事の中で紹介されていた女性上司の言葉は、頭でっかちな日本人の考えを笑い飛ばしてくれる爽快さだ。

❝「20代なんてそんなものよ。20代は仕事に限らず、なんでも隣の芝生が青く見えるものよ。」❝

日本は終身雇用が根底にあるからこそ、1社での長い経歴が重視されがちだが、欧米諸国では「転職回数が多い=キャリアアップをしっかり考え実行している」と捉えられるという。今後さらに多様化していくだろう日本社会においても、欧米のように個人の能力を重視する企業が増えることを願いたいと思う。

転職は悪いことではない!

私自身、転職を繰り返して苦い思いをたくさんしてきた。そして、結果として上手くいっているかと言われればそうでもない。笑。SNSで紹介されるたくさんの成功者は、ほんの一握りだ。

ただ、自分で決めた数々の道で得たものは計り知れなかったし、社会的成功にはいたらなくとも、人間的には誰にも恥じないでいられるほどに成長したと思う。たくさんの仕事で得た能力は広範囲に及び、将来どうしようもなくなっても可能性だけは多くあるだろうと思えるようになった。

記事のまとめで、筆者は素晴らしい言葉を残してくれていた。

❝「自分が何をやりたいか、何に向いているかまだわからなくても、エネルギーに満ち溢れる20代・30代で転職を重ねることは、世界規模で見ればごく自然なことである。」❝

先が見えなくても、同じ失敗や回り道を繰り返しても、他愛もない経験と思えることでもすべてがあなたの中に経験として蓄積され、いつか思いもよらないところで役に立ったりする。少しかじっただけの経験がきっかけとして違う道につながることもある。私が暗闇を走っている時期に常に胸に抱いていた名言がある。
『けっして後ろを振り返ってはいけない。』

同じように、走り続けもがいている人たちへ。転職は悪いことじゃない。


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