2018/03/17
最終更新日:2018/04/20

【年金】未納が増え将来が不安視される年金、実はお得なのだ


今回は年金についてです。というのも、最近ある年金の記事を読んで年金の金額を改めて実感し、「これじゃあ、老後生きていけない!」と強く感じたので、まとめてみたいと思います。

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あなたの年金の知識はどのくらいある?

あなたは、年金についてどのくらいの知識を持っているでしょうか? 20歳になった時に日本年金機構から年金手帳や年金制度の説明、納付書が送られてきて「ふ~ん。」と、とりあえず横に置いた記憶がありませんか? 私は正直、20代の頃はそのくらいの意識しかしませんでした。「なんとなく、とりあえず払わなければいけないもの」という感じです。

そして、社会人になって給与から毎月年金保険料が引かれていることで、年金について改めて調べたり、知識を深めることになりますよね。私も総務部で社会保険業務を担当していた際に年金について勉強し、こう思ったことを覚えています。
「自分の老後のためというよりは、今のおじいちゃんおばあちゃんが生きるために必要なお金を払ってるってことだな。自分のおばあちゃんが生きられるなら必要な制度だと思う。だから払わないと。」
自分の老後なんて実感も意識もない若さですから、制度に詳しくなったとしても、細かいことは考えなかったんですね。単におじいちゃんやおばあちゃんたちのことを考えて、私は自分なりの年金保険料を払う理由を考えたのでした。ただそこには大きな危機感などはなく、「25年以上払ったら、年金がもらえる」という認識だけがありました。

年金未納の若者が増えているというが、その認識は間違い?

現在、国民年金の納付率は約65%だそうです。(*免除者や猶予申請者は数値にが入っていません。免除者などを加えると、納付率は40%だそう。)
年金の加入と支払いは国民の義務であるはずなのに、意外と低く感じてしまいますね。その中で20代の若者の納付率は約3割とさらに低い水準となっているそうですが、若者は将来を考えて行動したり選んだりしている最中であったり、学生や何かを模索している人も多いでしょう。やみくもに若者が年金を払ってないとは言えません。

納付率だけを聞いてしまうと「みんなも払ってないんじゃん。」と考えてしまいそうですが、ちょっと待ってください。これには厚生年金保険加入者の数字が入っていません。会社員など会社に厚生年金保険料を徴収されている人々を数字に含めると、すべての年金制度で未払いの人は全体の3.3%だけだそうです。そう考えると、ほとんどの人が当たり前に年金を払っているということなんです。

実は年金はすごくお得。金融商品にひけを取らない利率

国民年金保険料を、20から60歳までの40年間支払い、国民年金を満額で受け取れる場合、779,300円(年額)を65歳から死ぬまで受け取れることになります(つまり月額約65,000円)。80~85歳の平均寿命で生きた場合の受け取れる年金を、支払った額と利回りで換算すると・・・実はおおよそ1.5~2.0%の利回りとなります。

貯金を例に捉えてみます。普通に一ヶ月16340円(平成30年度 国民年金保険料)を貯め続けて、40年で約784万円となる。60歳からそれを15年間使った場合、月に換算すると44000円程度。でも、年金は65000円ほどもらえ、それは生きていればずっとだ。そう考えれば、あきらかにただの貯蓄よりは年金を支払ったほうがいいといえるでしょう。

また、今は健康であれば65歳まで働くのが一般的ですが、たとえば70まで働く人もいるかもしれない。その場合、年金の支給開始年齢の繰り下げを検討してみてもいい。年金額は死ぬまで変わらず、しかも年金は長生きすればするほど得をすることになる。さらにこの繰り下げを行えば年金額は増えるということだから、繰り下げをすることは利息を増やすことと同じになります。

また、年金は所得税の控除対象ですので、税金が優遇されますし、遺族年金や障害年金がついているのです。また、国民年金には後納制度があり、免除や猶予申請された期間は10年間、それ以外の納め忘れは2年間遡って後納できます。ちなみに、平成30年9月30日までに限り「5年の後納制度」が実施されています。この機会に2年以上~5年前までの納付忘れがある人は納付を検討すべきです。

追納制度や付加年金、個人年金保険などの積立商品を利用して、年金を増やす

今回の記事を書くきっかけは「老齢基礎年棋院のみの満額の年金額に衝撃を受けた」からですが、前述に書いた通り、国民年金の老齢基礎年金は20歳から60歳の40年間支払いした満額で年間78万程度。つまり、月額65000円程度です。
私はこう思いました。
「夫婦二人なら13万くらい・・・節約すれば暮らしていけるだろうが、独り身だと、とうてい持ち家がないと暮らしていけない!」

切実な問題だと思いました。自分で小さな店をやっている友人からも相談を受けたことがありますが、厚生年金のように会社が上乗せ分を払ってくれるのでなければ、国民年金は満額を目指すことしかできません。しかし、満額でも生活するには足りないので、下記のような制度を利用して少しでも将来の生活資金の見込みを増やすべきでしょう。

付加年金や年金基金、その他個人年金保険を活用しましょう。
詳細の説明はここでは長くなるので省かせていただきますが、会社員(厚生年金保険の加入者)でない場合の国民年金加入者(第1号被保険者)は、通常の年金制度以外のこういった制度を活用し、年金にプラスになる老後資金を積み立てていくのがいいと思います。

付加年金⇒月400円の支払いと少額のため、追加で受け取る年金も少額だが、2年以上受け取れれば元は取れる仕組みでお得な制度です。

国民年金基金⇒老齢基礎年金に上乗せする年金制度

個人年金保険⇒毎月保険料を積み立てて、老後に受け取ることができるタイプの金融商品

年金の正しい知識を持ち、将来に備える

私は30代になって気付いたことがありました。20代の遊びにかまけていた時期、転職などの時期に年金を払ってない時期があったが、免除申請していなかったことに免除は学生とか特別な理由がいると思っていましたたし、まだ老後に危機感を持つ年齢でもなかったので、深く調べていなかったのですね。

そして、なんと免除申請してない時期は追納が基本的には二年間しか猶予ができないことを知って多少ショックを受けました。もう取り戻せないということだからです。いまさらどうにもできないので、個人年金や基金で別に老後資金を作る必要があるなと感じています。

そういうこともあったため、私はもうすぐ成人するお子さんがいる方には、年金について子供さんにきちんと説明をしてあげてほしいと、そう思います。その年齢の子供に自覚を持てといっても難しいとは思いますし、素直に聞くかはわかりません。しかし、真面目に話せば、親が真剣だということだけでも伝わるのではないでしょうか。

できれば学校でも、勉学の他に保険や年金などの社会制度について授業があるといいなと思います。子供には危機感がないです。気付いたら損をしていた、なんて私のようになりかねません。
でもそれも一つの経験であり、将来をきちんと見据えるためのきっかけとなりうるかもしれませんが、私は「もっと誰かに教えておいてもらいたかった」と思っています。

ましてや、今は学校卒業後にずっと1つの会社に勤めるなんて人は少ない時代です。社会制度を理解し、自分の状況に合わせて活用していくことは、この社会を生き抜くために必要なことです。

本当に困ったら生活保護という制度がありますが、それは最終手段であって、予防策ではないと思います。私たちの将来が、恵み豊かな社会になるためにも、必要なことを選びとれる賢さを持ちたいと、そう願ってやみません。


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