こんにちは!南カレンです。
今回のお題は「クレーム対応」です。
これは人と関わる仕事であるなら、誰しもが経験するツライ業務ですよね。
コールセンターやクレーム対応部署に勤務する人たちには、そのツラさがわかるがゆえに同情を禁じ得ません。
ましてアルバイトや平社員の一時対応では収まらないクレームなんてザラで、管理職の立場になると、だいたいが最終的に上の人間に回ってきます。
そしてそれがなんの不運か、数日続いたりなんかすると・・・・
「いい加減にしてくれ! お前らのところまでで収めてくれ!」
と、非情な上司になってしまったかのような心境に陥ることも、あったりなかったり・・・。
さて私は接客業時代に、店長として数々のクレーム対応をこなしてきました。
そんななかで、クレーム対応したお客様が超お得意様になった経験があります。
と言っても5人に満たないくらいですが・・・。笑。
しかし、その仕事を辞めるまで、そのお客様たちは仕事の注文を私に依頼し続けてくれました。
まぁ、その熟練レベルに達するまでは、数多のクレーム対応をこなしてきたわけですが・・・。
それでは、私がマスターした「クレーム対応の極意」をみなさんにシェアしたいと思います。
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責められているのは、あなたではない
まず、コレです。
お客様は、あなたを責めたいのではありません。
言いたいことを全部言って、自分の精神の高ぶりや怒りを沈めたいのです。
仕事中にお客様から声をかけられて、それがクレームだった場合、正直誰でも最初は「うわぁ、クレームだよ、どうしよう」と内心たじろぎます。
でも、落ち着いてください。
クレームなんて、どこの業界でもどんな仕事でもあります。
ミスがゼロの会社なんてないわけです。人はミスする生き物です。
なので、ここで必要なのは「もちろんお話を伺います」という姿勢のみです。
あなたがアルバイトの場合でも「私は上でもないし、判断できないし・・・」と恐れる必要はありません。 あなたは第一弾の対応をすればいいだけと思ってください。
電話ではなく直接お客様と対応する場合に必要なセリフはこう。
「さようでございますか。お話を伺いますので、こちらでお聞きしてよろしいでしょうか。」
動揺はいけません。
動揺せずに、表情は反省を思わせるように眉を下げ、言葉はしっかりと発声する。
そしてお客様を、少しだけ違う場所に誘導。
(ほかに部屋がある場合は、机やイスがあるところに誘導するほうがベストですが、会社によってやり方は違うので、とりあえずはちょっと離れる程度でいいと思います。)
なぜ誘導するかというと、接客業の場合、クレームを言いにお客様が来るのは、レジや店員が常駐しているところです。つまり、他のお客様が並んだり次に待っていたりするので、そこで話が長くなるのは避けたいです。
そして、これを動揺なくピシッとやると「ちゃんとした対応をしてくれそう」感がお客様に伝わり、第一弾の鎮静化の幕をきれます。
誘導する余裕もないほどお客様が怒り狂っている場合でも、できれば誘導したほうが効果が高いです。過去、誘導できないままクレームをずっと聞いたことが何度かありますが、鎮静化できないことが多かったです。
なぜかは正確には答えきれないのですが、その場で話を聞くと、こちらも仕事の途中なので手に何か持っていたり、作業途中だったりで、「ながらクレーム対応」になるのが原因かと思います。
つまり、「聞く体制になっていない」ことが相手にも伝わるのではないかと思います。
そして、あなたがアルバイトでも、とりあえず話を聞きます。
話を聞かないで放置する、またはすぐに上司を呼びにいくのはNGです。
ただ、すぐそばに社員や上司がいる場合は、サポートに入ってくれるかもしれませんので目配せを送ってみましょう。 しかし、クレーム対応は新人だろうが最初に声をかけられたスタッフに任されてしまう現場が多いです。
なぜなら、社員は基本はアルバイトに変わってクレーム対応をすべき立場ですが、誰もがクレーム対応が嫌なので、喜んで駆けつける人間はほとんどいません。(残念ながら)
また、店長はすぐに対応しないほうがいいという理由があるので、様子を見ます。(これについては、のちほど記述します)
さて、移動したら次のセリフを。
「恐れ入りますが、どんな状況かを教えていただけますでしょうか。」
そして、商品の不備やこちらのミスがあきらかな場合は、謝罪を必ず一度入れる。
その後は、お客様の話が一通り終わるまでは、「ええ。」や「はい。」だけの言葉を挟むのみで、説明や言い訳など余計なことは言わずに、 ただ話を聞き続けてください。
そして、お客様がひと段落したところで、アルバイトのあなたはこう告げます。
「現段階でできる対応をさせていただきますので、一旦お待ちください。上司を呼んで参ります。」
あなたが社員でも、判断できない場合は同じです。
この第一対応で何よりも重要なのは、
「話を全部聞いてあげる。言いたいことを全部言わせてあげること」です。
これだけなら、たとえアルバイトでもできます。
怖れずに、背筋を伸ばして話を聞いてください。
慣れれば対応はうまくなる。私の経験
ここで、私の経験談を少しご紹介します。
クレーム対応に慣れてなかった頃の、一番最初のあまりにも対応が未熟すぎる失敗談です。
客「ちょっと!誕生日に送った花が枯れていたのよ!どういうことなの!この写真を見てよ!」
私「え!そうですか、申し訳ございません! 状況をお調べしますので、お客様のご注文を確認してもよろしいでしょうか?」
お客様が送り状伝票を差し出す。私は出荷伝票を調べにお客さんの前から数分間、姿を消す。
私「お品物は予定通り2日で届いているようですね。発送した段階では問題ありませんでしたが、この写真を見ると・・・ 少し不鮮明ですが、確かに元気がありませんね。開けた段階でこうなっていたのでしょうか?」
客「こちらの不備だと言いたいわけ!? 最初からこうだから文句を言いにきたんじゃない!」
私「大変申し訳ございません。こちらの発送時には問題なかったですが、輸送中にダメになってしまったようです。
代わりに新しいお花を郵送いたしましょうか?」
客「(ぶるぶると震える・・・)あなたじゃ話にならないわ!あなたの態度は、自分にはまるで責任がないといわんばかり! 責任者はいないの?!
呼んできてよ!」
私「・・・・・・・・・・・・私がこの店の店長です。」
客「(驚愕の顔)・・・・・もう二度と来ないわ、こんな店!!!!」
怒り足で去っていったお客様に後日謝罪の電話を入れるもすぐに切られ、お菓子を手に家に伺うも留守という、結局なんの対応もできないままで終わった一件でした・・・。
これは初期対応として以下の大間違いがあります。
・発送状況を調べるなどの確認はその場では重要ではない
・調べるためにその場を離れ、お客様を放置した
・お客様の話を聞かずに、発送時の管理などの説明を始めた。
・謝罪はおざなりで、こちらにミスではないと弁明
花屋という生ものを扱う仕事だっただけに、配送中に商品に問題が起きることはよくあることでしたが、お客様にそれは関係がありません。
そういったことを理解せず、何よりその時はお客様の怒りの度合いにビビッてしまって、焦っていたこともあり、お客様の話(感情)を聞こうという姿勢がまったくありませんでした。
このクレーム以降、私は注文時や発送時の状況確認だとか、誰が仕事を担当していたかとか、こちらの状況をお客様の前で確認するなどは一切やらなくなりました。
そんなものお客様には関係がないからです。
社内の出来事は、お客様の処理が終わってから、社内で議論すればいいのです。
ここで得た最大の教訓は、「何よりも目の前のお客様対応を優先させる。状況把握は後でいい。」です。
クレーム対応マニュアル
それでは、前述のクレーム対応以外にも数々の対応をした経験から、マニュアルと会話の流れをご紹介します。
1. まず、落ち着いて話ができるところにお客様を誘導。
「状況(状態)を伺いたいので、こちらでお聞きしてもよろしいでしょうか?」
2.言いたいことを全部聞く。
「恐れ入ります。内容をお教えいただけますでしょうか?」
3.どんなミスや不備があったかをお客様が話し終えた段階で、一旦謝罪を入れる。
「それは申し訳ございませんでした。」
(※謝罪はとりあえず、1回だけに留める。謝罪ばかりを繰り返すと、マイナスの影響が出る)
4.相づちは「ええ」「はい」「そうでございますね(そうですね)」「おっしゃる通りです」など、端的に入れる。
5.お客様の話が止まるまでは、すべての感情を堪えて、聞くに徹する。
6.話が終わったら、どう対応するか(ある意味、交渉する)
話の中でお客様から「要望」を言われることもありますが、だいたいははっきり言ってこない方が多いです。
店の出方を伺うというよりも、文句を言いたいという気持ちが一番だと思います。
7.アルバイトの人は上に判断をあおぎましょう。
「それは、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。私はアルバイトですので、こちらでできる対応を上司に確認してまいりますね。」
社員の人は、教えられている対応のどれが適応できるか考えましょう。
8.クレーム内容によって対応の種類はいくつかあります。
・スタッフの対応の不備・サービスの仕方へのクレーム
⇒謝罪で終わらす(ことを目指す)
「今後このようなことがないように、周知の上、徹底いたします」
+感謝の意を伝える
「ご指摘をありがとうございました。今後のサービス向上に努めさせていただきます」
・商品の不備 ⇒ 交換・不足備品のお渡し・返金
その他、クレームではないが困る事態には、下記のようにだいたいがハッキリとお断りすることです。
・「値下げしてよ~」
⇒笑顔でかわせ!「申し訳ございません。値下げはできかねます。」
きっぱりしているほど「これは無理だ」と相手に伝わる。
・「交換してほしいんだけど(仕様済み商品)」
⇒上に同じ。
・「商品のせいか、肌がかぶれてしまって・・・治療費もかかるし、お金返してほしい」
⇒お客さんの体の事情には、商品が原因でも使用済みでは対応できないと、伝えるしかない。
・「思ってたのと違った。キャンセルしたい」注文後キャンセル不可の場合
⇒できないとハッキリ言うほかなし。
9.最後の締めくくり
話がすべて終わったら、最後の謝罪をしっかりと頭を下げて行い、感謝の意も伝える。
「この度はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。また、ご指摘いただいたことで、今後のサービスに活かさせていただきます。ありがとうございました。」
10.店長や責任者は最後の鎮静役と心得る。
クレーム対応の重要ポイントは、「お客様の怒りの鎮静化」です。
鎮静化にはタイムラグが必要です。
なので、最初は下の人間が対応するほうがいいのです。
私の体験談でも書きましたが、最初の対応がミスっている上にそれが責任者の場合、お客様は大抵もうその店を使ってくれません。
最初の第一対応や第二対応などで収められない場合に上司が出ていくことで、
「上の人を呼び出した」という満足感がお客様の最後の鎮静化になるのです。
感情が伝われば、クレーム顧客があなたのお得意様になる
さて、ここまで書いてきて「いや、もっと理不尽なクレーマーのときはどうするの?」や「そんなうまくいかないって!」というお声も聞こえてきそうですが、確かに色々なものすべてに対応できるマニュアルはないものの、1つだけ確実に言えることはあります。
クレームを円満な解決に導く極意とは「聞くこと」に尽きるということ。
お客さんがすごく怒っているのには、お客様なりの理由があるんですね。
ショックだった、傷ついたなど、心を痛めている場合があったり、それが実は大事な気持ちを込めた買い物だったということや、本当に悩んで考えて契約したなど、人にはいろんな事情があります。
話をじっくり聞いてみると実は「そういう気持ちがあったんだ・・・」など、こちらが反省してしまうような感情を話される方もいます。
私のお得意様になった、過去クレーム対応したお客様の中で、こんな方がいました。
結婚記念日のお祝いでプレゼントした商品にメッセージをつけてもらったが、メッセージの文字が間違っていて、それがあまり縁起の良い漢字でなくショックだった、というもの。
メッセージの中の漢字2文字の部分の1文字だけの間違いでした。
商品は問題なかったとしても、結婚記念日のメッセージの書き間違え。
間違いなく痛恨のミスです。
担当した社員がお詫びの電話を受けていたものの、上司に変われと言われたようで私のところに回ってきた案件でした。 この頃はクレーム対応もマスターしていたので、スムーズに謝罪とお話を聞く体制に。
じっくりと30分話を聞き続けた内容では、近頃は奥様の体調がすぐれず、結婚記念日も外で祝おうという元気がなくて自宅でゆっくり過ごそうということになり、ご主人がいないときにサプライズで家にプレゼントを届けることにしたそうです。
メッセージは「これからも二人で頑張っていこう」という思いが込められたものでした。
話を聞いた私は、最初は怒り口調だったご主人の声が涙混じりになってきたあたりで、こちらも涙ぐむしかなく。
今更メッセージだけ送りなおすわけにもいかず、謝罪で終わった案件でしたが何年も心に残るものでした。
後日、奥様から「〇〇さんの対応は、真摯で丁寧で、こちらの気持ちを理解してくれたのがわかったから、良かったです」とご主人からのことづけがありました。
私はそのご夫婦をとても素敵に思い、翌年の一年後にサプライズで私から結婚記念日のお花をお贈りしました。
とても喜んでいただけのが、今でも嬉しい限りです。
今の世の中、文句が言いたいことなんて山ほどありますし、インターネットショッピングがこれだけ流通してると不備や不満な商品やサービスとも、よく遭遇します。
クレームは減ることはないとは思いますが、真摯なクレームには誠実に対応したいものです。
それを見分けるためにも、ぜひクレーム対応では話をじっくり聞く姿勢を身に着けてください。
慣れると、クレーム対応が苦ではなくなりますよ。
クレーム対応に苦ではなくなったときには、あなたはもうただの平社員レベルではないと思います。 社会人として、レベルが何倍も上がって、昇進していたり、何かを任されたりしていることでしょう。
一時の縁でも、一生忘れられないような仕事で出会える縁もあります。
この社会で出会えるのは「人」だけではなく、「人の想い」でもあると私は思います。
最後に、記事を書く際にネットサーフィンで見つけた記事で良い話を見つけましたのでリンクさせていただきます。
⇒クレーム対応 筆者体験事例(3)日本経営合理化協会
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せっかく素晴らしい内容なのだから、「代替え」はやめましょう…?
貴重なコメントをありがとうございます。
該当されるという箇所を削除・訂正させていただきました。
また、個人的な感情が表に出過ぎており、不適切だと思われる箇所も合わせて修正いたしました。
今後も何かあればご指摘ください。
まだまだ未熟な文章へのアドバイスに感謝いたします。