就職が決まらない、夢のためにバイトを掛け持ちしている・・・他にも理由はたくさんあって、それぞれの理由でフリーターでいる人は今少なくない。私自身もあらゆる理由でフリーターの時期を何度も経験している。ある意味「自由である」ために「不自由さ」を享受している状態と言える。
さて、その中で感じたフリーターであることの自由と不自由とは。
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目次
フリーターってそもそもどういう人?
フリーターとは、正社員で働いていないアルバイトで生計を立てている人のことです。実はここには契約社員・契約職員や派遣社員も含まれるが、「時給制」ではなく「月給制」である契約社員などは、フリーターとは認識していない人も多いかもしれません。フリーター=フリーランスアルバイターの略ですが、世間で言う「フリーランス」はまた少し違います。
フリーランスと呼ばれる人は、自分の技術を売っているので、「雇用」されているというより「契約」して仕事をする、という分類になるかと思います。今はフリーランスが増えてきているそうですね。しかし、フリーランスもフリーターも正規雇用と違って給料の保証がありません。しかし、正社員よりは「時間」の自由がききやすいでしょう。とくに「フリーランス」と呼ばれる人たちは「時間」をすべて自分で管理します。
さて「フリーター」は雇用されている時間は、雇用主の時間に合わせなければいけません。今回は、この「フリーター」について考えてみます。
フリーターの不自由さ「時間の管理」=「シフトの組み立て」
フリーターでは掛け持ちで1つ以上のアルバイトをしている人は少なくない。そして、重要になってくるのが、「シフト」だ。まず第一にメインとなる仕事のシフトを決める。どこの職種でもアルバイトにも期待をしている以上、できるだけ自分の会社に貢献してほしいに決まってる。そして、フリーターは給与のある程度の部分をメインの仕事先に頼るほうがいい。そうなると、こちらも会社へ貢献する意思を見せるとともに、「じゃあ、ある程度期待しているよ」という会社の要望を了承するということである。
そして、掛け持ち先とは「足りない収入を埋める」または「違うスキルを手に入れるため」、 ほかにも「ストレス分散のため」「夢の仕事に関わる勉強のため」など多岐にわたるが、掛け持ちである以上、どうしても出せるシフトが限られてしまう。なので、あまり会社の期待に応える時間は少ない。
そして、シフトが少ない上に、メインの仕事のシフトを優先するということになると、一番困るのは「仕事先によってシフトの提出日と決定日が違う」こと。これは本当に頭を抱える。
オーバーブッキングはできないのだ。
フリーターの不自由さ「2足のわらじは、意思が弱いとどちらも中途半端になる」
私が過去感じたフリーターの不自由さの中で「掛け持ち先の仕事さえも選んでしまうこと」はシビアに問題だった。フリーターという立場にいるには、誰にでもなんらかの理由がある。理由があると他の選択肢が狭まる。しかし、一番優先すべき目的を失ってはいけないと後になって思った私の経験談として、一例を挙げてみよう。
私がフリーターであった時期は2つある。ひとつは「まだ若く、新しい職種に転職を試みている時期」だった頃。この時は、アルバイトからスタートして、掛け持ちバイトでお金を足しながら生活していた。2度目は、病気のために休職したあと、リハビリとしてアルバイトから始めたときのことだ。
どちらの時期も「これからどうしようか」という漠然とした不安はあったが、次の目的もあった。ただ、目的だけに突き進む勇気を持ち合わせていなかった。「生活費を稼がなければ」「大人はきちんとした仕事につかなければならない。」など、私は焦っていたし、一番の問題は私が欲張りだったことだ。私はメインの仕事の他にも「何かあったときの保証に、今後使える情報やスキルに関わること」を求めていた。不安だったからだ。
結果的に私は同じ工程を何度も繰り返して今に至るが、今ならわかる。生活などの不安などは置いておいて、本気でメインとするものを決めて、それに突き進まなければいけない。私はいつでも「保険」をかけようとしていた。結局は、メインの仕事もおろそかになり、目標までの道のりを遠回りしてしまった、時間を浪費したと思う。いくつかの出会いはあったとしても・・・
フリーターの不自由さから考えることは、フリーターで掛け持ち先を決める前に、まず立ち止まって考えてみてほしいということ。1つの仕事で正社員になるか、時間を増やして収入を確保できないかを。余った時間はメインの仕事や夢のための勉強に時間を回せばいい。
掛け持ちは面倒も手間も時間もかかり、忙しくなると目的を見失う可能性があるからだ。
フリーターの自由「仕事、時間、選択肢を自分で調整できる」
誰かに雇われている以上、フリーランスのように完全に自分のコントロール下にすることはできないが、生活費という問題をクリアできるなら、働く日数、1日の働く時間、曜日などを調整することは正社員よりは可能だ。
会社に属していれば、1日の就業時間、休憩時間、月の休みや年間休日がすべて決まっている。そうでない仕事も今は増えてきているが、まだまだフレックスタイム制の会社が大多数だとは、とても言えない。そして、そういう会社に勤めている人は特殊な資格や技術を持っていることが多い。
アルバイト先の規定ももちろんあるが、求める条件にあう仕事を探したり、職場を変えるのも正社員よりは動きやすい。私生活の時間もデザインができる。もし、夜型で生きたいと思うなら、夜勤の仕事に、在宅で働きたいなら在宅の仕事を探す、いろんなことをやってみたいと思う20代前半なら、いろんなアルバイトを経験して将来を考えてみるのもいいだろう。
フリーターの自由「一つの会社・仕事にすべての意識を注がないでいい」
これは、なにも「仕事に集中していない」「真剣にやっていない」ということではなく、正社員ともなると責任はアルバイトより当然ある分、完全に集中すべきだということだ。社員はアルバイトよりもフォローすべき項目が多いのだ。 頭も使う。作業だけではなく、仕事の効率化、組織作り、アルバイトの管理など、より一歩会社に貢献する仕事をしなくてはならない。
さらに 管理職ともなると、ある意味で会社運営にまで頭を使う。社員では考えない視野の広さで仕事をすることになる。より売り上げをもたらすには? 組織を長くよい状態に保つ職場環境を作るには? アルバイトのモチベーションややりがいをどう刺激し続ける? こういったことは、本当に時間を使う。
本気で仕事をするなら、プライベートに目にした情報や思い付きなどもすべて仕事に生かすべきだ。おそらく、仕事が本当にできる人は仕事とプライベートの線引きなんてない。 いつでも仕事のための脳が働いている。自分の仕事を大いに楽しんでいる人だ。
つまり「本気で事業や会社について考える」ことからは自由であるのが、フリーターだと言える。
私はフリーターを推奨しているのではなく、理由のある人のために書いている。夢をどうしても追いたい人、真剣に何かについて勉強したい人、どうしても正社員としての生活を身体的、精神的に行えない人。それらの人には、望んでいない仕事で正社員で働くことは、数年をあっという間に過ぎ去らせる風になるだろう。
そういえば、私は経験したことがあるが、むしろ会社や事業に本気で考えて意見をしてくるアルバイトは社員からしたら煙たがられるときもある。「なら、なぜ社員で働かないの?」「社員になってから言えよ!こっちは大変なんだよ!」という心の声が確かに聞こえた気がしたものだ。
本気で会社や仕事のことに取り組んでいる人からすれば、アルバイトはアルバイトでしかない。
でも、理由があるなら正社員になることは本当に月日を費やす。
そして、夢を追う人間にはそれはときに重荷だ。
フリーターであることの才能と強さ
正直、私はフリーターで掛け持ちを2つ以上持てる人間は、実は頭が良いとさえ思う。 なぜなら、シフトの組み合わせ、仕事の選定、生活スケジュールの調整なんて、頭が悪いとできないのではないか。もはや、有能な秘書レベルだと言える。それは一つの才能に違いない。
もちろん、正社員でキャリアを築く人々からしたら「効率が悪い」と言われるかもしれない。
効率とは「キャリアのための効率」「貯蓄のための効率」という意味だ。
が、そういった効率が悪くても「あえてフリーターを選ぶ人」には理由がある。
フリーターでいること、その理由とはあなたにとってなんだろうか?
フリーターはとても不安だ。ふとしたとき、先の見えない将来に不安を感じる。
私は、来月暮らしていくお金が足りないと気付いたときに、あきらめの先の笑いを通り越して、震えたことが実際に私にはあった。文字通り、手が震えたのだ。不安で泣く人もいるかもしれない。それでも、それを続けているあなたは、きっと強い。
フリーターの状況こそが、人生を真正面から見つめる時期だという兆し
今、フリーターをしている人はぜひ真剣に考えてほしい。なぜ、フリーターでいるのか。
世の中には「学歴」「家庭的事情」などで、仕事が決まらない人もいる。そういった人は私たちと同じ「理由がある人」だ。理由がない人、あなたには「目的」があるだろうか?
また、理由はあったほうがいいのだろうか。
理由がない人間は、自分の境遇や状況を外から見ているようなものだ。
自覚がないのは、その人のせいじゃない。でも死ぬまで生きるために、いつか自覚してほしい。
自覚と選択をしないまま生き続けると、あなたはいつまでたっても満たされないままだ。
自分に質問をすることと、選択することを学んでほしい。
それがあなたの精神を強くする。あなたの心を揺らがないものに導いていく。
この世界で生きていくのなら、いつでも必ず自分なりの理由を用意しておいたほうがいい。
その理由はあなたの「自分らしさ」であり、その中にはあなたの望む未来への「鍵」が含まれているのだ。 それを突き詰めていくとき、気づけばあなたの後ろには過去から未来へ続く「道」ができている。
たくさんの道があって、人はその人が手にできる道を歩いていっているように見える。
もとから、その道を歩むように運命づけられていたのだ、と思える人もいる。 そうかもしれない。でも違うのだ。道はあるものから選んでいるのではなく、あなたの「理由のある選択」で進んだ跡に、刻まれていくものなのだ。
それはきっと、世界でたった一つだけの、あなたしか歩めない道である。
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